第8回:サポートのマクロ戦術入門|試合を動かすための視点と判断基準




今回はLOLで勝つために必要なマクロについて。

LoLにおける「マクロ」とは、
個々の操作や反射神経といったミクロの要素ではなく、
試合全体を見渡し、チームの勝利につながる行動を
選択するための大局的な考え方を指します。
サポートはCSを取る役割ではなく、
マップを広く見て情報を整理し、
味方にとって有利な状況をつくる立場です。
サポートがチームにマクロ的な視点をもたらし、
試合を動かす司令塔となる存在だと言えます。
サポートが身につけるべきマクロの考え方と、
具体的な状況ごとの判断材料を整理していきます。

マクロの基本的な考え方

マクロの判断に絶対的な正解はありません。
常に状況に応じた最適解を選び取ることが求められます。
そのために、以下の3つの軸を常に意識する必要があります。

【人数差】
味方と敵の位置関係。
何人が集まれるか?
見えている敵が何人で
見えてない敵が何人か
想定として何人対何人か?

【オブジェクトの価値】
ドラゴン、バロン、ヘラルド、タワーなど
どれを優先すべきか。

【味方キャリーの成長段階】
ADCやMIDがパワースパイクを迎えているか、
まだ装備が揃っていないか。

大枠はこの通りです。
勝てる時に仕掛け、オブジェクトをとれるならとる。
不透明なら仕掛けないのが基本的な考えです。

視界コントロールと情報戦


マクロの判断は情報がなければ成り立ちません。
視界を取る、敵の行動を映す、危険な場所に入らない。
このすべてが判断の土台となります。
サポートはワードを活用しやすいロールです。
理想形はオブジェクトの2分前から
視界をとり始めるのが理想です。
敵ジャングラーの位置がわかれば、
ドラゴンを狙うか、逆サイドでタワーを取るか?
といった選択が可能になります。

例1
敵ジャングラーがトップに映った →
ボット側で人数有利ができた → すぐにドラゴンへ。

例2:敵ADCがリコールした → ボットレーンに危険がない →
 サポートはミッドに寄って人数差を作る。

レーン戦後のローテーション


レーン戦が終わるとサポートは
どのレーンに寄るかという選択を迫られます。
ここでの判断材料は以下の通りです。
  • 誰が勝っているか:勝っているレーンをさらに伸ばす。
  • タワーの残り体力:割れる寸前なら優先して集まり、タワーを取る。
  • オブジェクトの湧き時間:ドラゴンやヘラルドの出現に合わせて位置を変える。

例:自チームADCが2キル先行
プロテクトADCでさらにADCを強くする。

逆にミッドが勝っているなら、
一緒に動いて敵ジャングルに侵入し、
主導権を広げたりします。

オブジェクト管理

ドラゴン、バロン、ヘラルドといったオブジェクトは、
試合の勝敗を決める要素です。
複数が同時に出現することも多く、
その際にどちらを優先するかの判断が
マクロの要となります。

  • 序盤(5〜14分)
タワーとヘラルドの価値が高い。
序盤のスノーボールを狙うならヘラルド優先。

  • 中盤(15〜25分):ドラゴンスタックを進めることが勝率に直結。
   特にドラゴンソウルが見えてくると
   最優先事項となる。

  • 終盤(25分以降):ほぼ常にバロン最優先。
   取るか、取らせないかが勝敗を決定づける。

サポートはピンやチャットを活用して、
チーム全体に意識を合わせる必要があります。

集団戦前の動き

集団戦はその前の準備で9割が決まります。
サポートがやるべきことは、敵の視界を消し、
味方キャリーの立ち位置を安全にし、
戦場をコントロールすることです。

  • 敵ジャングル入口を制圧して、敵が近づけない状況を作る。
  • 視界を握り、敵に仕掛けるか引くかの選択を迫る。
  • 味方キャリーの逃げ道を確保する。

判断例:敵のフラッシュが落ちている → 前に出て仕掛けやすいと判断。
逆に味方ADCがリコール中 → 集団戦を避けるのが正解。

状況別のマクロ判断例

  • 敵ジャングラーがトップに映る → ドラゴンを即狙う。
  • 味方ADCが帰還中 → 無理に戦わず、人数差が解消されるまで待つ。
  • 敵がバロンを触っている → サポートは視界を確保し、味方に合図を出す。
  • 勝っているレーンがある → そこに寄ってリソースを集中させる。

正解と不正解の分岐点

マクロ判断における正解と不正解は、
個人のプレイで目立つかどうかではなく
チーム全体の勝率が上がるかどうかで決まります。
  • 正解の例:オブジェクトを取るために戦わず譲る → 長期的に勝率を高める判断。
  • 不正解の例:敵を1人キャッチしたが、バロンを取られて試合が崩壊する →
   個人は活躍してもチームとしては不利。
今この行動がチーム全体の勝率を上げるかを
基準に判断することが重要です。

マクロを鍛える方法

  • リプレイを見る:なぜそのタイミングで寄ったのか、
    自分ならどう動いたかを振り返る。
  • 数値を確認する:ワード設置数、オブジェクト関与率を記録し、
    試合ごとに改善点を見つける。
  • 上位プレイヤーを参考にする:プロや高レートのリプレイを見て、判断材料を盗む。

まとめ

サポートは視界、オブジェクト、
ローテーション、集団戦前の準備といった
マクロ要素の中心にいるロールです。
マクロ判断は情報を集める → 
優先順位をつける → 
チーム全体に有利な選択をする
という流れで整理できます。
ミクロではなくマクロを鍛えることで、
チーム全体を勝利に導く力を身につけられます。
余談ですがジャングルもマクロが必要なロールですが
サポートと違い視界コントロールが
サポートよりも少なくなるため
よりマクロを考えるのが大事なのは
サポートだと思い今回の記事を書いております。

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