クソゲーとリメイクばかり作るゲーム業界と家庭用ゲームを買わなくなった僕たちのはなし。


潰れる有名ゲームセンター、面白くない家庭用ゲーム、
課金を煽るスマホアプリ、悲しいゲーム業界の現状と
過去のはなし。

私の子供の頃のゲームって期待と面白さに満ちていた。
そしてこの頃のゲームって期待はずれだ

子供の頃の感覚と大人になってからの感覚は
決して比べられないけれども、
日本のゲーム業界は悲惨な現状だ。

なぜかというと

「課金させる事が目的のゲームが多く
本当にプレイする人の事を考えた、
質の高い面白いゲームが少なすぎる」からだ。


現状のゲーム市場に目を凝らすと気づく。
儲ける事が目的のゲームがこの上なく横行している。

勿論ゲームを作る事は立派な商売である以上、
儲けるという行為そのものは何も間違ってはいない。

しかし大前提が成り立っていない。
そのゲームが楽しいから、好きだから、
更に楽しむ為に課金しよう。
という当たり前の図式が製作者側に
成り立っていない事が多すぎる。

私が思うに製作者は、そのゲームが面白いかどうか?
ではなく、そのゲームでいくら稼げるか、
収益はどのくらいなのか?を第一に
考えているように思う。
また同時に、その無粋な思いがゲームをしている側に
伝わりすぎている。
商売っ気丸出しのゲームなんてゲームじゃない

一人の純粋なゲーマーとして悲しさと怒りを覚えてしまう。

いったいいつからこんな状況になってしまったのだろうか?

ゲーム業界を年代別に分けて振り返ってみた。










【80年代】

1980年代中盤くらい~のイメージ。

ドラゴンクエスト・ファイナルファンタジー・
ストリートファイターシリーズ。
現在でもそのゲームを知らないゲーマーは
数少ない超有名タイトルだ。
この時代に作られた、25年以上も前の話だ。

この時代の製作者は本当に頑張ってアイデアを出していた。
ゲームの内容やシステム、キャラに至る迄、
ありとあらゆる事に真剣に取り組んでいたと思う。

神話からの引用、オリジナルキャラの作製、システムの構築。
どうすれば面白いか?を考えて繰り返し繰り返し実行し、
試行錯誤の上に作られた結晶が今も続編という形で
受け継がれている。

そして当時は少ない容量で面白いゲームを作る工夫をしていた。
言い替えると少ない容量しかなかったので、
泣く泣く容量を削らざるをえなかったとも言える。
ゲーム機の性能が今とは比べ物にならない程低い時代なので
いかに容量を削るのかが命題になっていたに違いない。

ファミコン版ドラゴンクエストの容量に至っては
たったの64キロバイトでゲームが作られている。
これは今のガラケーの写真1枚分とほぼ同等だ。
たったこれだけの容量で面白いゲームが作られている。









【90年代】

90年代はゲーム最盛期時代。

家では家庭用ゲーム機で遊び、外ではゲームセンターで遊ぶ、
みんながゲームに熱中していた時代。
製作者と消費者の質が共に高く感じられた。

そして数々の名作、迷作、クソゲーが生み出された時代。
















ここら辺の時代背景についてはハイスコアガールという
漫画が面白いので見ていない方は(絶対)見ましょう。
(完全に当時ゲームをしていた方ホイホイです)

◇90年代ゲームセンター◇

91年に稼動したストリートファイターⅡが
きっかけに、対戦格闘ゲームが爆発的に流行った。
ゲームとしての出来は、よく言えば素晴らしいが、
バランス面を考えると完全なるクソゲーである。

しかしながらそんなバランスの悪いゲームであろうと、
当時の人の熱狂ぶりは凄まじかった、もはや社会現象だった。


・投げハメ
攻撃をガードさせた硬直中に相手を投げる事。
相手は攻撃をガードした時点で投げを回避出来ないので
卑怯の代名詞的な位置取りにあたる。
ゲームセンターによっては「投げハメ禁止」という
張り紙がなされていた所もある。

・波動昇竜
いわゆる(波動で)飛ばせて(昇竜で)落とすだ。
飛び道具を相手に飛ばせて、無敵のある対空技で迎撃する戦法。
当時は私もどれだけ上手に波動昇竜が出来るかをよく考えた。
現在でも多種多様なゲームにて取り入れられている戦法。

・待ちガイル
もはや説明不要すぎる用語、しゃがんで待っているガイルの事。
美しくないプレイスタイルの代名詞ですが、
ガイルのしゃがんでいる姿には一種の美しさを感じてしまう・・・

◇90年代家庭用ゲーム◇

90年代の主な家庭用ゲーム機一覧

・90年:スーパーファミコン
・90年:NEOGEO
・94年:NEOGEOCD
・94年:PlayStation
・94年:セガサターン
・96年:NINTENDO64

92年にスーパーファミコン版スト2が発売されて
家庭用ゲームの盛り上げ役になった。

またセガサターン派とプレステ派の派閥が発生
最終的にはプレステ派が現在も生き残る形に落ち着く。
経済力のある大人は両方持っていて羨ましかった・・・)

携帯機の元祖ともいえるゲームボーイはこの時期に発売された。
(厳密には89年発売)
ゲームボーイソフトの代名詞はいくつかある。
テトリス、これは知っている方も多いおなじみのソフト。
驚きだけどこれは今でもゲームセンターに置いている所もある。

またポケットモンスター赤・緑が爆発的なヒットになり、
家でも外でもゲームをする人が多く見られるようになった。

この時代から家庭用ゲーム機の性能が徐々にアップしていった。
これまではドット表記だったグラフィックも3Dグラフィックが
主流に変化していった。
家庭用で3Dが導入されたのはFF7やゼノギアスが有名。

当時の3Dグラフィックなんて正直見れたものではなかったが、
当時の私たちには、月面に初めての一歩を踏み出したかのような
偉大な一歩のように感動した。
勿論全てのゲームの完成度は満点ではないが、
新しい試みを完成させたといえる。






















【00年台】

この10年は超名作が数多く発売された。
ゲーム業界は大きく進化したが、反面では質の低下の時代

◇00年代ゲームセンター◇

00~09年にかけてのゲームセンターは盛り上がりを見せるが
徐々に
衰退に向かい始めた。

もちろんストリートファイター、KOF、ギルティギア、
バーチャファイター、鉄拳シリーズ等の後継ゲームが
メインにゲーセン業界を盛り上げた。

有名プレイヤーによる動画がニコニコ動画などで配信され、
知識やゲームの普及と盛り上げに一役を買った。

しかしながら二つの要素によりゲームセンターから
徐々に人が減っていった。

①マンネリ化
上記に書いたゲームは全てシリーズ化されている。
バーチャならば1→2→3→4→4evo、
ストリートファイターならばZeroシリーズや
ストリートファイター3等の80年代に作られた
ゲームの続編にあたる。

どれだけゲームとして進化させようと、
グラフィックが滑らかになろうと、対戦格闘では
相手を倒すというその行為自体に変化しない。
ずっとゲーセンに通い続ける人という人は少なくなってくる。
(もちろん新規の参入はあるが少しづつ減っていった)

②ゲーマー人口の二極化によるゲームバランス崩壊。
(コアゲーマーとライトユーザー。)

前提ですが、誰でも最初から自分の腕前にあわない
難しいゲームや簡単すぎるゲームをやろうと思わないし、
そのゲームを続けない。

古くからゲームをしている人は基本的にゲームが上手い、
これはゲームが変わってもどうすれば良いのかが
分かっているのでいきなり強かったり上手かったりする。

逆にライトゲーマーは基本的にゲームが上手ではない。
もちろん例外もいるだろうが、一般的にという意味で。

しかしここでゲーム製作者はライトゲーマー向けに
利益を優先でゲームを作り始めてしまった。

これはコアユーザー視点から見ると大問題。
ずっとしていたゲームの続編が出たが、
ライトユーザー向けのゲームになっていたのだから。

簡単すぎるゲームをやろうとは思わないので
コアゲーマーが淘汰されていく形に向かった。

◇00年代家庭用ゲーム◇

00年代の主な家庭用ゲーム機一覧

・00年:PlayStation2
・02年:Xbox
・04年:PSP
・05年:Xbox360
・06年:PlayStation3
・06年:Wii

RPG
ロストオデッセイ・FF10・女神転生3ノクターン(マニアクス)

【アクション】
ワンダと巨像・大神・デモンズソウル

【FPS】
Left 4 Dead・Cod MW2

【TPS】
ギアーズオブウォー
バイオハザードシリーズ

【シューティング】
斑鳩

このあたりは遊ばれた事がある人も多いかと思います。


名作が世に出た甲斐もあり家庭へのゲーム機普及率が
徐々に高くなった。
そしてゲームは誰に対しても気軽で、親しみのあるものになって、
今まで高かった敷居が一気に下がった。

しかしその影で製作者側にも変化が見られた。
誰にでも受け入れてもらえる、遊んでもらえる、
いわゆるライトユーザー向けのゲームを作る必要が出来た。

悪く言うつもりはないがライトユーザー層が増えると、
ライトユーザー向けにゲームを開発する為、
どうしてもゲームの質は下がってしまう。


【10年台】

そして現在へ。
クソゲーとリメイクばかり作るゲーム業界と
家庭用ゲームを買わなくなった僕たち。

◇10年代ゲームセンター◇

10年代はゲームセンター氷河期。
数ある名店、有名店が軒並み閉店に追い込まれた。

【客離れ】

ゲーマーのゲーセン離れに拍車がかかった。

①ネット対戦が可能になった事

②気軽に遊べるスマホに移行した事

【深刻な収益不足と店側の負担増】

客離れにより店は徐々に資金という体力が少なくなり、
体力が少ない状態で2つの負担が店に掛かった。

・増税
普通の買い物なら税率が上がっても買う側が負担する。
しかしゲームセンターは50円や100円という単位でしか
硬貨を認識出来ないので、増税分は店が負担をする形を
取らざるを得なかった。

・メーカー
メーカーがネット対戦機種等に超暴利な
ロイヤリティの支払いを求めた。

例えばプレイヤーが100円でゲームをすると、
その1プレイにつき20円や35円等の料金を
メーカーに支払う必要がある。
この20円や35円がロイヤリティだ。

大した額じゃないように思うかもしれないが、
そのプレイしているゲームはメーカーから店が購入している、
しかも購入金額は100万円単位のかなり法外な値段なんだ。

なので、店は購入した後もロイヤリティを払い続けると
そのゲームを購入した金額を回収するのに時間がかかるし、
利益が出る状態になっても利益が中々増えない。

客は少なくなり続ける一方で店側には多大な負担がかかり続ける。
当たり前だが体力の無い小さなゲームセンターは潰れる。
面白い程に名店、有名店が潰れた、本当に悲しい。

◇10年代家庭用ゲーム◇

・11年:Play Station Vita
・12年:Wii U
・14年:Play Station4
・14年:Xbox One

10年代の家庭用ゲームは製作者側の地獄期間。

私は面白いと思うゲームは少なくなったと思うけれど、
それでも熱中するゲームも沢山あってある程度は満足してる。

でも製作者側はどうやら違うみたいだった。

ゲームを作っても作っても売れない。

据え置き機の売り上げや販売台数は軒並み落ちて、
面白いゲームをどうやって作るのかよりも、いかに稼ぐか?
がメインになっているそうだ。
スマホの登場がゲーム業界の曲がり角だと思う。

開発費用の弊害
新しいゲームを作るのは0から完成まで全てに費用がかかるし
作っても売れないの悪循環が現状だそうだ。

【リメイク】
①と②を踏まえた上でどうするか?
ゲーム開発者は考えました・・・

・そうだリメイクを作ろう!と。

・そうだスマホアプリを作って課金で稼ごう!と。

・リメイクの利点
完成品が目の前にあるので作るのが簡単、
それは制作費抑制にもつながる。

そのゲームを知ってるという安心感で買ってくれるので
ある程度の売り上げ見込みが立つ(らしい)


◇スマホアプリ◇

10年代はスマホアプリ全盛期でもあり、
スマホアプリの普及と据え置き機の低迷は反比例している。

【スマホアプリの本質】

私の考えですが、スマホアプリの本質(目的ともいえる)は
どれだけ儲けるか?だと思っています、そして真実だとも思う。

優先順位の一位が面白いゲームを作るではなく、
完全に儲ける事になっている。

①基本プレイは無料で楽しめるけども課金要素もある。
  
こうであれば許せるし、偽善的な意味合いも含まれるけども
製作者側に悪意を感じない。

②課金を過度に煽る、課金している感覚を無くすような
システムを故意に作って金儲けを生業にしている。

私はこれが本当に許せない。
ゲームを作る手順そのものが、面白いものを作るではなく
どうやってお金を使ってもらうか?が先に来すぎている。

否定的だけどもちろん全部がそうじゃない。
私だって、面白いなーと思ってスマホを触っていた事もある。

ただ作り手として、最低限のモラルとプライドまで捨てないで欲しいだけ。

自分がかつて遊んだような面白いゲームを作って、
楽しんでもらうっていう気持ちを忘れずに作って欲しいと
思ってしまうんです

もしそれができないなら、ファミコン版のマリオから
ゲームをやり直すべきだ。
忘れ去ったゲームの基本を思い出すために。
◇あとがき◇
当時は容量が無ければ無いで工夫をした、
どうすれば削れるか、効率良くできるのかを考えた。

現在は容量が無限という訳ではないが、
当時の様に困っていないから製作者は工夫をしない。

人はいつでも出来る事は中々やらない、
いつでも見れるDVDは中々見ない、
何でも出来るのであれば、何にも出来ないんだと思う。

人は困ったら頭を使うのではなく、
困らないと頭を使わないし、
工夫しようとも思わない。

容量も沢山使えて、グラフィックは昔より遥かに綺麗で、
面白い見本になるゲームが周りに沢山あって、
何でも出来るはずの今のゲーム開発者は、
一体今何を思い、ゲームを作っているのか?
その思いを、志を、聞かせてほしい。